今年に入ってから、日本はコロナウイルスの話題で持ち切りですね…。
わたしは幸い、中国や日本から遠く離れたノルウェーにいて、ノルウェーでは感染者は確認されていません。(2月26日に一人目が、27日に新たに3人の感染が報告されました。)しかし、隣国スウェーデンでは感染者が1名。(武漢の滞在から帰国後、咳などの症状があり検査を受けたところ陽性)
フランスやドイツ、イタリア等、西ヨーロッパ各地では更に多くの感染者が確認されていて、ノルウェーも他人事ではなくなってきています。
観光で訪問する予定のある方や在住の方のために、一個人の目で確認した程度ではありますが、ノルウェーの現状を少しでもお伝えできたらと思い、まとめてみました。
目次
ノルウェーでの感染者は?
2020年2月13日現在、ノルウェーでコロナウイルスの感染者は確認されていません。
ただ、11日火曜までの時点で、ノルウェー国内で56名の方がコロナウイルスの疑いで検査を受けたそうです。いずれも陰性とのこと。
2020年2月27日現在、ノルウェーでは4名の感染者が確認されました。
オスロ2名、オスロの隣町バールム(Bærum)で1名、北の街トロムソで1名の計4名。
ノルウェーの公衆衛生機構(FHI)は、「ノルウェーで感染者が確認された場合、迅速に対応する準備は出来ている」とし、ノルウェー国内での感染拡大の可能性は非常に低いだろう、と予測しています。
ノルウェーの首都オスロ・中心地の様子

オスロ空港直結。街への入り口になるオスロ中央駅(Oslo S)。
次に、オスロ市内でも最も多くの人が行き交うオスロ中央駅の様子。普段と変わらず多くの人で賑わっている上、マスクをしている人は、一人も見かけませんでした。
また、駅周辺も普段と特段変わった様子はなし。コロナウイルスに関して注意喚起をする張り紙などもなく、至って平常運行です。
ノルウェーのTVやネットニュースでも連日最新記事があがり、国内で大きな話題にはなっているものの、ノルウェー国内では感染者も出ていないためか、国民がコロナウイルスを特別に警戒している様子はないようです。
ノルウェーの首都オスロ・観光地の様子

オスロの人気観光スポット、ヴィーゲラン彫刻公園
現在、観光のハイシーズンではないのですが、たくさんの観光客もみられ、他にも課外授業中と思われる地元の保育園児や小学生の団体、その他ランニングや散歩を楽しむ地元の人々で、いつも通り賑わっていました。
写真は、ヨーロッパからの団体観光客と思われる方々。マスクを着用している人はおらず、皆さん楽しそうに観光されていました。
ただ、普段(特に晴れの日)だと必ずと言っていいほどいる、中国人の団体観光客の方々は全く見かけませんでした。今回のコロナウイルスの感染者数が圧倒的多く、事態が深刻な中国本土からの観光客の数は、一時的に減少しているのかもしれません。
マスクや消毒液の在庫
続いて、中国や日本で、深刻な在庫不足となっている、マスクや消毒液。
Amazonでは普段数百円の手ピカジェルが、今や3000円超え!
マスクの値段も恐ろしいことになってます…。
(ぜひ値段を予想してから答え合わせしてみてください…。)
需要と供給の関係…恐るべしですね。(とはいえこんなに高くても買う人いるんでしょうか!?)
では、ノルウェーではどうでしょう。実際に、オスロ中心部の薬局に行ってみると…

オスロ中央駅構内の薬局。
…なんと、ノルウェーでもマスクは売り切れ状態!
中央駅周辺3店舗で聞いてみましたが、どの店舗も完全に在庫なしでした。
店員さんによると、マスクを買っていった人のほとんどは中国人在住者や中国人観光客の方で、中国本土に発送するため大量に購入していったそう。
ある店舗では、600個あった在庫が2日間で全て売り切れたとか…。
ノルウェーではそもそも街でマスクを着用する人はほとんどいないため、この600個というのは数カ月分の在庫だったはず。店員さん、相当驚いていました。
更に驚きなのは、この後各薬局の公式ネット通販サイトを確認したところ、なんとどのネット通販でもマスクは在庫なし!
サイトでは実店舗の在庫も確認出来るのですが、駅周辺の店舗のみならず、オスロ中にある全ての薬局チェーン店で、全店舗で売り切れ状態のようです。
ここまで影響が及んでいるとは思っていなかったので、衝撃です。
薬局でマスクの再入荷について聞いたところ、幸い中国ではなくフィンランドやドイツの工場で製造されたものらしく、来週にはまた再入荷する予定とのことです。
一方、消毒液はまだ在庫がありました。ただこちらも、ここ最近毎日飛ぶように売れていて、かなり品薄になってきたそう。

手指用アルコール消毒液。一本54kr(640円)
来月日本に帰省する予定があるので、コロナ対策として今のうちに携帯用消毒液を2つ購入しました。。。
マスクは着用すべからず…!?
日本人的にとても興味深い記事を発見しました。その見出しはズバリ!
「Not recommended to use face masks outside the healthcare service」(FHI:ノルウェー公衆衛生機構)
「医療機関外ではマスクの着用を推奨しません」!?
記事の内容を要約すると、
“メディアではしばしば予防のために市民がマスクを着用している写真が報じられるが、マスクの着用が、通常の社会的状況において健常者が使用して効果があるという証拠はほとんどない。反対に、正しく使用しない場合感染のリスクを高める可能性がある。”
…とのこと。
マスクは、自分が病気であり周りに感染させないために使用する、もしくは病院勤務などで患者に接触する際に使用するもの。予防のためには、マスク着用ではなく、石鹸とぬるま湯によるこまめな手洗い(手洗いが難しい場合は手のアルコール消毒)が最も有効。
日本では、予防のためには率先してマスクを着用するよう呼びかけているので、全く真逆の見解を公開していることに驚きです。ノルウェー人がマスクをしないのは、こういう理由があったからなんですね。
ノルウェーにおけるアジア人差別は?
日本のテレビでは、一部の国や地域でアジア人差別が頻発していることを取り上げているので、不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
ノルウェーはもともと、男女・宗教・セクシュアリティー・国籍…あらゆる分野において平等を重んじる国です。個々人の体験として差別的な経験をされたことがある方はいらっしゃるかもしれませんが、ノルウェー社会において露骨な人種差別は滅多にありません。
なので、(少なくとも現在の)ノルウェーにおいて、コロナウイルスの影響でアジア人観光客だからと差別されることはないと思います。
先述した通り、ノルウェー社会全体としてコロナウイルスの影響は少なく、いつも通り穏やかで、平和な国です。安心して観光していただけると思います。
まとめ:《新型コロナウイルス》ノルウェーの現状
2月13日現在、ノルウェー国内で感染者はなし。感染者4名。- ノルウェーは、医療体制が万全のため感染拡大の可能性は低いとされている。
- 中心地・観光地は通常通り、マスクで予防している人もいない(少ない)。
- 中心地ではマスクや消毒液などの感染予防グッズは売り切れ/品薄状態。
- 「予防のためのマスク着用はあまり意味がない 」というデータを信じれるのであれば、ノルウェー滞在中はマスクは着用しないほうが無難。
以上です。
現地の状況などで質問等ありましたら、お気軽に問い合わせフォーム、またはコメント欄でどうぞ。
🇳🇴閲覧ありがとうございました🌲
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参考URL:
- ノルウェー公衆衛生機構(FHI)のコロナウイルス関連記事一覧(ノルウェー語・英語)
- 同サイトより「マスク着用すべからず」の記事
『Bruk av munnbind utenfor helsetjenesten er ikke anbefalt』(ノルウェー語)
『Not recommended to use face masks outside the healthcare service』(英語) - Helsenorge.no コロナウイルスの情報記事(ノルウェー語)
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